庚申山(お山めぐり)

 

 

 

2009、6、17  銀山平〜お山巡り〜銀山平

(単独・前日泊日帰り)

 

 

 

庚申山のコウシンソウの開花時期は、

例年6月中旬から7月上旬とのことである。

一方、今年の開花は全般的に5〜10日早くなっているようだ。

したがって、12日前後には出かけたかったなだが、

町内会の行事やら何やらで、こんな時期になってしまった。

今回の計画は前日泊含みで二泊三日(車中泊)、

二日目に庚申山、三日目に男体山に登って帰着する予定である。

日本武尊(ヤマトタケルノミコト)も登ったとも言われる歴史ある山!はたして・・・・

(庚申山の位置)

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<国民宿舎かじか荘の片隅に有った>

 

<銀山平の駐車場>

 

 

 

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<天狗の投石>

 

<登山道の様子>

我が家からの距離が三百数十km、とても日帰りができる距離ではない。

仕方ないので登山口で車中泊することにし、前日の早めに自宅を出発して、余った時間は日光東照宮・華厳の滝を見物することにした。因みに、幸か不幸かこの年に

なるまで両所共来たことが無かった。

小諸から高速を使っても約5時間半!高速を使わなければ7時間前後かかると思えば、土・休日のみの1000円頭打ちルールも余り苦にならない?

足尾に着いてまず銀山平の様子を探りその後、日光市に向かった。

東照宮は、なんとか傘をささずに見ることができたが、いろは坂辺りから濃霧になってしまって、運転すら危うくなってしまうありさま!展望台では滝のほうを見るも轟音

のみ!仕方なく滝見のエレベーターはパスして、銀山平駐車場に戻りそぼ降る雨の中、恒例の一人宴会に突入!

 

5:00 銀山平駐車場出発

雨はやんでいたがかなり心配な空模様だ。

が、この時期に来た以上は当然覚悟の上!少なくともコウシンソウを1輪だけでも見ようと、余り意気揚々ではなく出発!

 

6:00 天狗の投石

単なるガラガラの石の山。

 

 

 

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<一の鳥居>

 

<百丁目>

6:10 一の鳥居

平坦ではあるが約4kmの林道歩き、新緑が綺麗なので(まだ体力的に見る余裕があるから・・・)飽きることはない。

 

6:40 百丁目

旧猿田彦神社(昭和21年焼失・現猿田彦神社は足尾温泉にある)への始点である磐裂神社(いわさくじんじゃ)からの旧参道の距離が114丁(1丁≒109m)で、こ

こがその百丁目地点となり、写真はその旨を刻んだ道標である。この手の道標はコースの所々に残っている。

 

 

 

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<鏡岩(孝子別れの処)>

 

<仁王門>

6:50 鏡岩

新緑の木々に追われた巨岩塊!

<標識に記載のあった鏡岩の由来>

昔、足尾の里、中才の猟師が庚申山に猟に行ったが、不幸にして吹雪にあい谷底に落ちてしまった。登ることもできず、凍死寸前に一頭の老いた大猿が

現れた。

 猟師は「自分をこの谷から救い出してくれたら自分の娘を嫁にやってもよい」と頼んだところ、不思議にもその猿は人の言葉が分かるらしく、喜んで同類

を集め,猿梯子を作り猟師を無事に救った。

 帰宅した猟師は我が身が助かったもののその大猿との約束に苦しまなければならなかった。長女も次女も猿の妻になることを肯じなかったが、末娘は

父の約束を果たすために猿のもとへ嫁いでいった。その後猟師は娘に会うため何度も山に登ったが、なかなか会うことができなかった。

そしてある日、この岩の前で娘にあうことができたが、娘はもう人間の姿ではなくなっていた。父娘は二度と会うことはないと、涙で別れたという。

 

7:15 仁王門

庚申山の守護神と書いてあった。

 

 

 

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<旧猿田彦神社跡>

 

<クリンソウ>

 

 

 

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<庚申山荘>

 

<嶺峯山荘>

7:35 旧猿田彦神社跡

この神社跡の手前からクリンソウが現れ出した。ここまでは参道で、これより登山道になるらしい?

<案内板より>

庚申山は神護景雲元年(767年)に勝道上人によって開山され、この地に猿田彦の神霊天津祖(あまつおや)庚申猿田彦大神を奉祀しました。江戸時代に全国各地

で庚申講として隆盛をみましたが、今も各地にその講が受け継がれています。猿田彦神社は拝殿と各部屋を構えた100余坪の平屋建てでありましたが、昭和21年

に焼失してしまいました。現在の猿田彦神社は、銀山平公園の傍らに有ります。

 

7:45 庚申山荘

ここでちょっと勘違いをしてしまい、庚申山荘に行ってしまった。ついでだからここでトイレ(真新しいバイオ方式)を拝借し、休憩をとってもとの神社跡に戻った。

 

8:10 嶺峯山荘(宇都宮大学ワンダーフォーゲル部・・・リッチやなぁ〜!)

クリンソウの咲く神社跡の登山道入口からこの嶺峯山荘までは数分の道程、ここにきて踏み跡があやしくなった。

 

 

 

 

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<稜線の登山道を振り返る>

 

<梯子に鎖(相当古そうな鎖)場も>

 

 

 

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<奇岩・絶壁の岩場の始まり>

 

<左写真の先>

8:50 岩場の始まり箇所

沢を渡った嶺峯山荘の横に、はっきりした踏み跡を見つけてちょっとほっとした。ここからしばらくは樹林帯の中のジグザグの急登、やがて尾根伝いの矮小な笹原歩

き、梯子を越して少し行くとシロヤシオ(もう散ってしまっていた)の木のある笹原をトラバースすると、ちょっと暗くなった感じの岩場の入口。

ここの岩面には、ユキワリソウが張りついていて場所によってはびっしりと・・・。この辺りがNETで調べたコウシンソウの群生場所の筈?と、あちこちにある真新しい踏

み跡を辿って岸壁に近づいてみたが、見えるのはユキワリソウばかり???

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<ユキワリソウ(サクラソウの仲間)>

 

 

 

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<コウシンソウ>

場所が違ったと思って岸壁から離れようとしたときに、眼の端に小さな花がチラリ!有った、これだ!と改めて岸壁を見渡せば、あちらこちらにNETで見たコウシンソ

ウがあるではないか、余りに小さい(背丈5p位)ので見過ごしていたのである。

良く見れば、なんとなくムシトリスミレに似ている。また、曲がった茎の先っちょで顎を突き出したような姿は、九頭竜を彷彿させる。

(中央の写真の下のほうには虫が捕まえられているのが見られます。)

 

<コウシンソウ>

庚申山と日光のごく一部に自生する世界的珍種、タヌキモ科食虫植物のムシトリスミレ属に分類される多年草植物。明治23年8月、理学博士・三好学氏によって庚

申山で発見され、「コウシンソウ」と名づけられました。高さ6〜7cmくらいで細い花茎にうす紫色の花をつけます。ここのコウシンソウは、国の特別記念物に指定され

ている。)

 

 

 

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<コウシンソウの群生地からは大きく降る>

 

<コウシンソウの群生地を振り返る>

 

 

 

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<この岩場のもコウシンソウ>

 

 

 

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<こんな痩せ尾根も通過>

 

<こんな所も>

 

 

 

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<結構長い梯子も>

 

<ユキワリソウはあちらこちらで見られる>

 

 

 

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<めがね岩>

 

<この辺りが岩場核心部か?>

 

 

 

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<こんな絶壁の真下を何度も通過>

 

 

 

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<また見つけたぞ!>

 

 

 

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<ザックのストックが支えて困ったが、左へ迂回で来たのを後で知った>

 

<スラブの上の踊り場>

 

 

 

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<こんなところ歩いたかなぁ〜?>

 

<庚申山・皇海山への分岐>

 

 

 

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<初の門>

 

<ヤマオダマキ>

 

 

 

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<クワガタソウ>

 

<タカネ?ニガナ>

 

 

 

11:30 庚申山山頂分岐

ストックがひっかかった岩のトンネルが大胎内くぐりか?そこからしばらくして庚申山への分岐に出会った。庚申山より先に進めば鋸山、さらに進めば百名山の皇海山

(すかいさん)まで縦走できるそうな!今日の予定は、庚申山山頂を踏んでその先の展望地まで行く予定であったが、もうコウシンソウやユキワリソウで満腹状態!そ

の上天気が悪くて今にも泣き出しそうなのでこのまま降ることにした。

さらに考えた!明日もけっして好転は望めない、いっそうのこと男体山もパスしてこの足で帰宅!と、いうわけで食事時間も惜しんで大急ぎ下山開始。

 

12:20 猿田彦神社跡

13:05 一の鳥居

14:00 銀山平駐車場

思ったより短時間で下山出来た!が、林道歩きは草臥れた。

 

 

 

[雑 感]

今回の主目的であるコウシンソウは結構たくさん見られた。

前にどなたかにコウシンソウの話を聞いたときに、小さくて分かり辛いので土地勘のある人と行ったほうが確実だ!と聞いたが、今回に限って言えばコウシンソウのあ

るところにはそれなりに踏み跡が付いていて、それをなぞって行って目を凝らせば見つけることができた。しかし、早い時期に初めて行ったのなら、相当事前調査をし

ても発見困難かもしれない。(コウシンソウのあるところ・・・切り立った岩の壁で、常時水が滲み出ていてユキワリソウのあるところ)

今回は、風があったのと技術不足で撮ってきた写真の約半分がピンボケ!も一度挑戦してみたい。

 

 

 

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