聖 岳

(日本アルプス最南の3000m峰)

 

2009、9、6〜8  便ヶ島からピストン(単独・二泊三日)

 

 

 

 

 

 

ようやく天候と都合が一致!

今年のメーンイベントの一つである、南アルプス縦走のスタートと相成った!

予定は、飯田の便ヶ島から入山し聖平小屋泊、翌日に聖岳をピストンして茶臼小屋泊、

次の日に光岳に向かい、光岳小屋に泊って四日目に易老渡へ下山。

三泊四日のデラックス版である。

 

 

 

[一日目(9月6日)]

 

 

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<聖光小屋>

 

<聖光小屋横登山口>

7:30 便ヶ島駐車場到着

4時に自宅を出発して約3時間半で到着したことになるが、途中の上島トンネル手前で通行止の標識発見!読んでも地理が分からんので要領を得ない、迂回路があるよう

なのでそのまんま進んだが、舗装はしてあるものの物凄く狭い道路なので不安になってしまい二度ばかり対向車に確認した。

いつの間にか通行止個所を迂回したらしく、北又渡発電所の横を通過してほっとした。道路は相変わらず狭く所々舗装をしてあるが、砂利道の方が多い感じであった。

易老渡の駐車場は満杯!さすが、100名山!

予定では易老岳からの下山に備え、便ヶ島にザックを置いてから戻って、ここ駐車した後徒歩で便ヶ島に行くつもりであったが、いきなりの計画変更を強いられた。

 

7:50 便ヶ島を出発

車を駐車したところで、岐阜から?来たと言う登山者から前輪左のパンクを告げられた。何処かで尖った石でも踏んでしまったのだろう!新品に替えたばかりなのに・・・

このまま登山、というわけにもいかずスペアタイヤと交換、幸先の悪いスタートになってしまった。

 

 

 

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<登山道トンネル>

 

<籠渡し>

8:30 西沢渡

木陰で涼しい遊歩道歩き!この遊歩道はかっての森林鉄道らしい。

ここで西沢を渡渉するのだが、ガイドブックに荷物の多い時には籠渡しを使うと良い、と書いてあったのでこれに乗るのも今回の楽しみの一つにしていた。しっかりした構造

なので、軽く動かせると思いきや?相当重い!良く見れば当然なのだが始めてしまった以上は、途中で止められない悲しい男の性!

なんとか手元近くまで引き寄せたが、止せば良いのにザックを籠に載せた後乗り込んだのであった!そのお陰で、超難儀をして対岸に到着したときに困ってしまった。

(以下の記述にはかなり大げさな部分があります・・・)

籠をロープで引っ張って動かすのだが、支えのワイヤーが自重で弛んでいるので籠は常に真ん中に戻りたがる。

これに反してロープを手繰るが、片手では無理なので両手で踏ん張っていないと力不足で中央に戻ってしまう!となると困るのが足元に転がっている重いザック、手がふさ

がっているのでザックが降ろせない。何度かチャレンジしているうちの、籠を吊ったワイヤーの端末部分にはみ出していたワイヤーの素線が、人差し指の甲側に刺さってそ

のまま1pばかりずッてしまった。当然皮膚が切れてしまって、なかなかの出血!でも、手は離せない!必死になってバッグを蹴落として籠から飛び降りて真ん中の戻る籠

を呆然と見送ってみると、指にはかなり深い切り傷!刃物で切ったのではなく針状の素線で引き裂いた形なので、かなり痛い!

幸いしばらくあれやこれやをしていたら止血したので、登山再開と相成ったが素晴らしく馬鹿な事をしたものである。タイヤのパンクに引き続いてのトラブル!今回の縦走の

モチベーションは、完全に萎えてしまった。(反省事項・・・単独の時は、籠渡しに乗るメリットが無いので素直に橋を渡りましょう!どうしても籠の載りたいときは、ザックは背

負ったままで乗りましょう♪)

 

 

 

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<旧造林小屋>

 

<花名不明>

9:05 造林小屋

籠の渡しから先が本格的な登山道、しばらく進むと旧造林小屋、形は何とか建物の様相を保ってはいるものの、内部はすっかり荒れ果ててしまっている様子である。

 

 

 

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<花名不明のアップ>

 

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<苔むした倒木群>

 

 

 

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<ヒメミヤマウズラ?>

13:30 苔平

旧造林小屋から暫らくは明るいカラマツ林の中の急な登山道、やがて鬱蒼としたシラビソの林に入って展望も無いままうす暗い登山道を黙々と歩く!救いは日の光が差

し込まないので暑くないことである。標高200mごとに標識があるのだが、ここまでは地名を記載した標識が無くどの辺を歩いているのか良く分らない。

急傾斜にうんざりしながら進む、本当に退屈で飽きが来てしまう登山道である。苔むした倒木の中、所々に苔平と言ってもおかしくないような平坦地があり、そのたびに休憩

をとる。ようやく到着したが、西沢渡からここまでのコースタイムが3時間半、なのに5時間もかかってしまっている???

 

 

 

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<倒木を覆っている苔>

 

 

 

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<薊平>

 

<薊平からはウメバチソウが多かった>

15:40 薊畑

苔平からも展望の無い急な登山道、この間も1時間25分の処を2時間10分もかかっている。

この頃からガスがかかってきて花の写真すら撮り辛いのでそのまま小屋に向かった。

 

 

 

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<イワインチン>

 

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<ヤマハハコ>

 

<聖平>

 

 

 

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<聖平から小屋に向かう木道>

 

<聖平小屋>

16:00 聖平

薊畑で登りは終わって聖平までは降り!お花畑が続いているが、夏の花はほとんどが終わって今はウメバチソウ、イワインチ、ヤマハハコやトリカブトが咲いている。

聖平からは、僅か5分ほど木道を歩けば小屋に着く!ヘロヘロになっての到着にホットはしたものの、明日からの縦走に対する意気込みは消沈してしまっていた。

小屋のテラスのようなところで何処かで見たような・・・と声を掛けられて驚いた。

昨年荒川三山を巡った時にお会いした東京からの松本さんであった。松本さんも同じような縦走予定らしい。

大急ぎでテントを設営、1年ぶりの再会を祝して飛騨牛の宴会の開始と相成った!

 

[二日目(9月7日)]

 

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<茜色の空>

 

<朝焼けのお花畑(マルバダケブキ)>

 

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<富士山も良い色に>

 

<小聖岳>

4:00 起床、4:15 聖小屋出発

昨晩はかなり飲んだようで、良く寝られたにもかかわらず頭が痛い!今日の予定は聖岳をピストンして次の宿泊地茶臼小屋に向かう予定だが、昨日に引き続いてモチベー

称は下降したまま・・・。それでも気を取り直して出発!

笊が岳方面は、今日の晴天を確約するかのように茜色に染まっている。

 

6:00 小聖岳

薊畑を過ぎて聖岳方面に向かう、この分岐辺りもしばらくはお花畑!マルバダケブキの枯れたのが林立している。

しばらく進んで、森林限界手前付近で、茜色になった富士山が見えてきてちょっと感激!

 

 

 

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<聖岳山頂>

 

 

 

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<正面右の高いのが赤石岳>

8:05 聖岳山頂

頭が重いし、足も重い!急なザレザレの登山道にバテバテにさせられて予定より大分遅くの到着、もう今日はここでお終い!

茶臼は止めだ〜!光岳も諦めてここでゆったり、まったりして明日は便ヶ島に下山!

裂けたタイヤ修理も気になるし、指の傷からまだ血が出てくるし、車は易老渡に置いていないし・・・、理由を一杯付けての計画変更であった。

 

 

 

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<花名不明>

 

<ジャコウソウ>

 

 

 

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<イワベンケイ>

 

<ミネウスユキソウ>

 

 

 

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<トウヤクリンドウ>

 

<若干赤みがかったウラシマツツジ>

 

 

 

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<茶臼岳、光岳方面。左の高いのが上河内岳>

 

 

 

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<小聖岳と聖岳>

10:30 聖岳から下山開始

それでも気を取り直して奥聖岳へ、途中にお花畑が広がっているがウサギギクが残っていたのと、チングルマの穂やヤマハハコ等しかなかった。

こんなにゆったりと山頂にいたのは初めてかもしれない。

これからゆっくり下山すれば、良い時間にテントに着ける。とよたよたと下山にかかった。

 

11:40 小聖岳

12:20 薊畑

12:50 聖平小屋

小屋に着いてから、シーシーレモンと「岳食」のカレーうどんで昼食。

少し休んで500ml×1。(昨晩の見すぎたせいかあまり旨く感じられない)16時頃から350ml×1で晩酌開始!これを残したままいつのまにか眠ってしまった。

 

 

 

[三日目(9月8日)]

 

 

4:50 起床

登山者の朝は早い!今朝はゆっくりと起きて・・・、等と思っていたが相次いで出発する登山者の喧騒で目が覚めてしまった。

その後、もたもたとテントの撤収をして5:30下山開始!

 

 

 

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<今日も良い天気>

 

<カニコウモリ>

 

 

 

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<薊平から聖岳>

6:10 薊畑

悔しいけれど今日も良い天気で、茶臼岳方面に向かった人たちはさぞかし良い思いをするんだろうな〜・・・

 

 

 

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<籠渡しの荷重制限看板>

 

<聖岳側からみたトンネル(旧森林鉄道)>

7:20 苔平

薊畑からは降り一辺倒、来た時と同じようにすぐに飽きがきてしまった!

 

10:10 西沢渡

 あの恨めしい籠渡りを横目にすんなりと木の橋を渡り、汗で濡れてしまった指の絆創膏を交換しながらの休憩、ここまでくれば後は谷に平行に進む快適な遊歩道!

ゆったりした気分で休憩できた。

 

10:50 便ヶ島駐車場

 ようやく到着してほっとしたところで、聖光小屋のおやじさんが窓越しにゆっくり走らないといけないとアドバイスをしてくれた。

何故か俺の車のパンクを知っていたのである。(ありがとう!身に滲みて感じ入っています・・・)

ついでに、途中の修理工場の場所を教えてもらったが、そこまであの頼りないスペアタイヤで行くのは何とも心細い!

 

 

 

[雑感]

あのちゃちなスペアタイヤでも、ちゃんとあの難路をこなしてくれた!

国道152号線に出てすぐの修理工場に行くと、タイヤの横側が切れているので修理は出来ないと言われてしまった。

新品に交換を頼んだが、同じようなタイヤが品切れだとのこと・・・、それでも親切にブリジストンに問い合わせてくれたがそれでも無い!

止む無く飯田のオートバックスの場所聞いて行ってみた。そこでも在庫は無く(つい最近交換したばかりなのだが、どうも生産中止品だったらしい。道理で安かっ

た・・・)中津川のアートバックスに問い合わせてもらい、そこでようやく交換で来た。とんだ物入りだった!

南アルプスは手強かった!あの登りには完璧にグロッキー!体力の増強の必要性を痛感!(山中での飲酒も若干控える必要があるかも・・・)

だけど、富士山の遠望はさすがに南アルプス、素晴らしかった!また今度行くからな!

それにしても、アクシデントの多い山行だった。

 

 

 

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