甲武信ヶ岳

 

2008.6.12・13 西沢渓谷登山口(単独・小屋素泊まり一泊)

 

日本百名山の一つであるこの山は、シャクナゲが素晴らしいらしい?

甲州・武蔵・信州の三つの国に接しているところから、この名がついたとの説もあるようだ。

信州側からでは日帰りが可能のようであるが、

せっかく遠いところから出かけるので、ゆったりと一泊することとし、

山梨県側にある、この西沢渓谷から入山することにした。

 

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<ルート図)>

 

[一日目]<西沢渓谷駐車場〜甲武信小屋>

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<西沢渓谷無料駐車場>

 

<ギンリョウソウ>

9:20 西沢渓谷無料駐車場出発

30分以上も前に到着していたのだが、松本で高速道路に入ったあたりから降り始めた雨が結構な降りになってきて躊躇していたのだ。

道の駅「みとみ」の駐車場で車載ラジオの天気予報を聞いていると昼には止むような事を言っている、ここまで来てしまっていて戻るのも癪なので、天気予報を信じて決行を決意!

戸惑いながらも駐車場を探し出して出発することにした。二段からなっている広い駐車車両には駐車車両2台っきり!何とも寂しい出発である。

 

9:50 徳ちゃん新道登山口

西沢渓谷入口ゲートから、しばらく行くと東屋と立派なトイレのある休憩所があり左にネトリ橋を見送り、直進して西沢山荘を目指す。

途中右側に近丸新道の登山口もあるがこれも予定通り素通り、やがて休館中?のちょっとさびれた西沢山荘が現れる。

その手前に、注意していないと見逃しそうなかなり古びた標識柱が足元に現れ、墨字で「甲武信ヶ岳」と書いてあるのでそれとわかる。

そぼ降る中での登山道侵入であるが、久しぶりのテン泊装備にもかかわらず足取は思いのほか軽い!

 

 

 

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<カラマツ林>

 

<シャクナゲのトンネルの登山道>

 

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<ムラサキヤシオ最盛期>

 

<近丸新動と合流>

13:00 近丸新道に合流

断続的に急峻な登山道が現れる。

やがて左側に鶏冠(とさか)尾根が見え出して、シャクナゲの大木がトンネルのようの茂っている登山道になるが、花の時期は終わってしまったようである。

軽かった足取りも、この辺から怪しげにふらふらとなってきている!バテてしまったのである。

また、自分の汗なのか雨が新品(高かった!)の雨具を浸透したのか?下着シャツがべたべたして気持ちが悪い!(前にもこんなことがあったが、本当にゴアテックスの雨具なのか疑わしくなってしまう)

さらに、これもゴアテックスの登山靴ではあるが、経年劣化?と思われる雨水の侵入までも(新品の登山靴を買ったばかりであるが、二度にわたる金具の損傷のためメーカー修理中なので古い靴を履いてきていたのである)してきて、嫌〜な感じ!

この最悪の状態を脱却すべく、適当なところで昼食がてらの着替え!そこから少し進んだところがこの合流点なのだが、休んだばかりなのでここは即通過。

 

 

 

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<戸渡尾根を見上げる>

 

<広瀬湖(ダム湖)と戸渡尾根>

 

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<富士山が見え出してきた>

16:10 雁坂峠からの縦走路と合流

1869m付近から雨があがってきたので、雨具の上だけを脱いだのだが2111m付近まではシャクナゲが茂っていて、葉っぱについた水滴でまたまた上半身が濡れてしまった。

だけど、このあたりはシャクナゲの花が今は盛りと咲いていてあまり気にはならなかった。

やがて、シラビソの樹林帯になって時々薄日が差し、雲間に富士山も見えだした。

このころになると疲労も最高潮!このままテント泊をすると、濡れた靴や靴下のままで明日も歩かなければならない!小屋には乾燥設備があるはず?等と理屈をつけて小屋泊の気持ちが強くなっていくのであった。

 

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<木賊山山頂標識>

 

<甲武信小屋到着>

16:20 木賊山

この10分間がものすごく長く感じた。

突然広場に出て木賊山(とくさやま)山頂の標識が現れたときには、正直ほっとした!

 

16:40 甲武信小屋到着

そこから急斜面を降りきったところに小屋はあった。

ツアーらしい団体も到着したばかりのようで、小屋前で整理体操をしていたのでその前をよろよろ通るのもこっぱずかしい!と思い体操が終わるのを待って、小屋前のベランダに崩れ込んだ。

さっそく小屋のご主人がお茶を持ってきてくれたので、熱かったけど急いで飲みほしたが、かなり上質で旨いお茶だった!

既に決定?決心?済みの素泊まり手続き!

5000円で奥の部屋の壁横#43だそうである。小屋泊は経験未熟でよくわからないが、片方でも人が居ないのは幸運ではないだろうか?

自炊テーブル独り占め!と思いきや後から6名の男女(ここから金峰山まで縦走の神奈川の山の会?の人たちらしい)がやってきて、一緒の場所で食事をとることになった。

俺は豚肉の」味噌煮込み?あの人たちは、新鮮なジャガイモやたまねぎ・やはり豚肉の入ったキムチ鍋らしい・・・・・

山の話をしながらの大勢での食事は楽しい!

350ml×2本=1000円(空き缶は責任をもってお持ち帰り)と持参の焼酎(250ml)を飲み終わった頃には消灯時間に近かった。

 

 

[二日目]<甲武信小屋〜甲武信ヶ岳・三宝岳〜甲武信小屋〜西沢渓谷駐車場>

4:20頃 日の出ショー開始

4時にそっと起床して、前夜の内に小屋のご主人に聞いておいた小屋裏の日の出観察スポットヘ・・・・・。

最初は俺一人だったが、すぐにもう一人が来て二人になった。

すでに雲海の上は赤く染まっており、今朝の日の出の素晴らしさが予感され、暫くすると雲海の中から真っ赤な太陽が徐々に上がりだした。絶好の撮影チャンス!とばかりにカメラを向けたが何としてもピントが合わない!慌てた!良く見ればレンズの内側に結露が・・・・・。

カメラバッグに手を入れると、中に入れていたタオルがぐっしょり!昨日の雨のせいである。それでも、めくらめっぽうに押したら少しは映っていた。

 

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<日の出前の雲海>

 

<太陽があがりきったところが何とか写っていた>

 

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<甲武信ヶ岳山標識>

 

<甲武信ヶ岳からの展望(方向は忘れた!)>

5:00 小屋を出発

皆さん食堂前で朝食の順番待ちの中、食事の無い素泊まりの俺は甲武信ヶ岳に向けて出発。

 

5:20 甲武信ヶ岳山頂

急坂登り切るとすぐに山頂!ここは360度の展望が開けているが、北側と東南方向は三宝山と木賊山が遮っていてその先は見られない。

思っていたより空気が澄んでいるようで、富士山も比較的くっきり見られる。

昨日の雨がうそのような青空の中、新緑の山の上に鎮座している富士山は何とも威厳がある!

 

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<甲武信ヶ岳から富士山方面パノラマ>

 

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<三宝山への登山道の様子>

 

<三宝岩)>

 

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<木賊山・甲武信ヶ岳・富士山>

 

<三宝山山頂>

5:40 三宝山に向けて出発

時間も早いし、もう少し先に進むことにした。

 

6:20 三宝山山頂

甲武信ヶ岳からの急坂を大きく降った後、何度かのアップダウンの後に何とか到着したのだが、背の高いシャクヤクやシラビソに囲まれた山頂は、展望がほとんど無い!損をした気はするが、すぐ手前の分岐で三宝岩に行って、富士山方面の展望を楽しんだ後なので良し!としなければ・・・・・

 

6:50 甲武信小屋への巻道分岐

地図を見ると甲武信の山頂を通らず、直接小屋に行く道があったので注意していたら、来るときには気づかなかった標識があった。

甲武信の急坂は登り降りしたくないので巻道に向かう。

 

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<小屋のベランダ>

 

<雁坂峠からの縦走路と合流>

 

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<雁坂峠からの縦走路と戸渡尾根との分岐>

 

<車坂峠の駐車場(峠を越えた左側)>

7:00 甲武信小屋帰着

アップダウンこそなかったが、思ったより距離があってなんとなく損した気分になってしまった!

 

7:20 小屋出発(下山開始)

小屋のベランダで荷物を整理して下山開始!良くわからんが、来た時よりザックが膨らんでしまっていた。

 

7:40 雁坂峠からの縦走路と合流

巻道が好きってわけではないが、今度は雁坂峠から小屋への巻道に向かってみた。

 

7:50 戸渡尾根分岐

木賊山のアップダウンを嫌ってバイパスをしたのだが、戸渡尾根の分岐まで戻る登りが思いのほか辛かった!

 

<シャクナゲ六態>

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10:00 徳ちゃん新道分岐

昨日は雨に打たれてげんなりしていたシャクナゲの花だが、今日は元気に起立していてなかなか奇麗である。だけどやはり、ちょっと時期的に遅かった感じがする。

若干疲れは残っているものの、ほぼいつものスピードで下山してきたつもりだが標準コースタイム1:30に対して2:10???

同じコースをピストンするのは面白くないけれど、登山道の様子がわからず躊躇していると、大きなザックを担いだ単独の登山者が登ってきた。やはり、テン泊でシャクナゲの花を見に来たとのことなのだが、ザックの重量は23Kgとのこと・・・・・・???

近丸新道の下山道は、谷に降り切るまでは急だけど何ら問題はないとのことだったので近丸新道に進むことにした。

 

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<真っ赤なツツジ>

 

<天気はいいし新緑も奇麗!>

 

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<珪石を運んだといわれるトロッコの軌道>

 

<名前はわからんけど花は2〜3mmくらい>

12:30 近丸新道登山口に下山

ここも1:40のところを2:30もかかってしまった!

谷に降りきったところで、登山道を見失ってしまった。暫くきょときょとしたが、上流側を見ると微かな踏み跡があったので行ってみると、上流に向かって山側に」布の標識があった!さらに進むと仮設材の橋があって一寸安心・・・・・

さらに下ると変な分岐があったが無視して進むと、案内書で見たトロッコの軌道が現れてほっとした!

そういえば谷に降りる急坂に真っ白な石が多く落ちていたが、あれがガラスの材料にもなる珪石らしい。

軌道は現れては消えまた現れるという感じだが、何箇所か登山道の崩落が進んでいて、ちょっと危険と思われる個所もあり今度また来たとしても、このコースは選ばないだろう!

 

13:00 

無料駐車場帰着!ふ〜!完璧にバテてしまったけれど、何とか帰り着くことができた、なにはともあれめでたし!めだたし!

 

[雑 感]

時期的には、やや遅かったもののシャクナゲの群落では何とも言えない贅沢な一時が過ごせた。

それにしても、あのえらさ!完璧にグロッキーである。

体力が減少したのか訓練が足らないのかよくわからんけど、何とかしなければならない!

コースは全般的には面白かったが、下りで通った近丸新道はかなり荒廃が進んでいて、このままだと通行不能も時間の問題となるような気がした。

シャクナゲの群落やら、素泊まり自炊での神奈川の人たちとの交流は、かけがいのない素晴らしい経験であった!

 

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