奥穂〜西穂縦走

(二日目は最高の天気でした!)

 

2005.8.27〜28(新穂高・単独(1泊2日)

 

梅雨明け10日も台風一過も無いこの夏の終盤、

台風11号も当地方には殆ど影響なく通過して行った。

今度こそ台風一過の晴天が期待できる予感!天気予報も、土・日とも晴れマーク。

一方、行き先の候補として長い間暖めてきた奥穂〜西穂の縦走、

最小のテン泊装備も目途が立ってきて、この晴天を外したら何時になるか判らない。

やや恐ろしいような気はするが、思い切って行って見ることにした。

 

 

[一日目・新穂高〜穂高山荘]

 

 

説明: 説明: P8278466

 

説明: 説明: P8278467

 

 

<ガスで霞む穂高平小屋>

 

<放牧中の飛騨牛>

 

 

 

 

 

 

 

説明: 説明: P8278469

 

説明: 説明: P8278470

 

 

<登山道もガスの中>

 

<白出避難小屋>

 

 

5:50 自宅出発

今回は時間的に余裕があるので、ゆっくりと朝食を摂ってから出発。

6:50 無料駐車場

天気予報では今日は快晴のはずなのだが、平湯トンネルを越した辺りから土砂降りの雨!早くも縦走取り止めが頭に浮かんできた。

雨は直ぐに止んで一安心!だけどお盆休みが終わったので駐車場の心配は全然していなかったのだが、着いてびっくり!全然空いていないではないか。

時間の余裕はあるというものの、小梨平に駐車する気にはならないので、またもやバス停の近くに路駐させて貰ったが、それにしても登山者というのは天候に敏感なのだろうか?

7:10 新穂高B.T出発

8:00 穂高平

近道に入るときに、林道を登山者が進んでいったので、いい機会だから近道が時間的にどれくらい効果があるのかと、時間を計ったら約6分位後に穂高平に到着した。思っていたより近道効果は少ないかも?

8:50 白出避難小屋

槍に向かうという数人のパーティーが休憩していたが、皆さん天気予報に期待満々で出かけてきた模様、せっかく神奈川からお見えになったのに・・・・・・・

 

 

 

説明: 説明: P8278474

 

説明: 説明: P8278473

 

 

<岩切道の標識>

 

<ゴゼンタチバナも秋の装い>

 

 

 

 

 

 

 

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説明: 説明: P8278477

 

 

<重太郎橋近くで登山道の整備をしてくれている人達>

 

<岩切道の様子>

 

 

 

 

 

 

 

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説明: 説明: P8278494

 

 

<荷継ぎ小屋辺りから手前鉱石沢・向こうが白出沢>

 

<白出沢の雪渓もちっちゃくなっていた>

 

 

 

 

 

 

 

11:10 荷継ぎ小屋跡

岩切道を過ぎた通称「最後の水場」のところで高年5、6名のパーティーが休憩していた。

ご存知の方はご存知なのだが、あそこは落石の名所みたいな所なので、「いい度胸しとるわ!」と感心した。

ご注意申し上げようとしたが休憩終了の様子なので黙って通り過ぎた。

12:20 岩小屋

鉱石沢の先の登山道が雪崩か何かで崩壊したが修復したとどこかのHPで読んだ記憶があったが、その通り、かなりの距離が整備されていて標識のリボンもふんだんに設置してあるのでありがたかった。

ただ、雪渓付近にある岩小屋みたいな岩の窪みの手前は、崩落してきた土砂で埋められていて何処が登山道なのか良くわからない。

さっきの高年登山者達はルートを外してザレザレに入ってしまって難儀していた。

ちなみにこの岩小屋?いつもダイモンジソウが多く咲いているので俺の撮影ポイントに指定している。

 

 

説明: 説明: P8278499

 

説明: 説明: P8278503

 

 

<岩小屋付近のダイモンジソウ>

 

<ようやく山荘到着・奥穂から大勢下山中>

 

 

 

 

 

 

 

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説明: 説明: P8278505

 

 

<山荘テラスから前穂の稜線>

 

<山荘テラスから蝶の稜線がバッチリ!>

 

 

 

 

 

 

 

説明: 説明: P8278527

 

説明: 説明: P8278525

 

 

<涸沢岳からは南岳の稜線・槍は一瞬見られただけ>

 

<明日行くであろうジャンダルム>

 

 

14:20 穂高山荘

いつものことだが、山荘が見え出してからが長く、「もういいかげんにしてよ!」と、悲鳴をあげる頃によく整備された登山道になってようやく山荘に到着する。

テラスに行って涸沢側を見てびっくり!ガスは殆ど無く常念や蝶の稜線がはっきり見えていて、素晴らしい展望である。

気を良くしてテン泊手続き、500円だと思って差し出すと550円とのこと。引き換えに貰ったテン泊の証札は100番!きりのいい更に気をよくしてテント設営。

以前から山荘に一番近い所に張りたいと思っていたが、既に設置済み!仕方なく一段上の夏季診療所の前に張ったのだが、すぐ傍が通路になっているので失敗だったかも?

設営が終わったので、早速ビールをと取り出したのだがまだ凍っていて飲める状態ではなくかなりがっかり!

少しでも早くのめれるように若干暖かい石の上において、山荘前のテラスに向かった。

そこで、福井のT女史に久しぶりの遭遇!今朝3時半に西穂の山荘を出発して8時半ごろ到着したとのこと、相変わらず凄い人である。(殆ど毎週、無料駐車場に置いてある福井ナンバーの赤い車の持ち主で、穂高の主的存在か?

しばらくテラスで談笑していたが、どうしてもビールが飲みたくて山荘で購入して飲み始めた。(Tさんは全然飲めないそうである)

寒くなったので山荘内に入っても歓談!いろんな山の話が出来て楽しかった!

ありがとうございました。

そのあと、涸沢岳でしばらく夕日を期待して待っていたが、次から次に飛騨側からガスが沸いてきてその気なし!

テントに戻って二次会? ようやくビールも融けて飲みごろになっていた。

 

 

 

[二日目・穂高山荘〜西穂〜新穂高]

 

 

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説明: 説明: P8288577

 

 

<日の出を待つ人達>

 

<日の出に感動>

 

 

 

 

 

 

 

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説明: 説明: P8288598

 

 

<朝日を受ける笠とブロッケンみたいなの?が出た白山>

 

<雲海と常念>

 

 

 

 

 

 

 

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<御岳・乗鞍岳と上高地>

 

<馬の背から戻ってきたおじさん・右下の尖ったのが馬の背か?

 

5:20 5:21 日の出

やはりテントの位置が良くなかった。

通路を通る登山靴の音は思いのほか大きくて、早く寝るつもりだったが寝付かれずに悶々としていたが、いつのまにか眠っていて夜中に目を覚ますと満天とはいかないが、頭上にはきれいな星が輝いていた。

案外良く寝られたようで、後眠気が覚めてしまって綺麗な朝焼けを想像しながらうとうとした頃目覚ましに起こされた。

外は、天と地の間の雲間が細く帯状に赤く染まっている。

テントの位置からは、給水用?の櫓が視界を邪魔してしまうので、大急ぎで山荘のテラスに向かったが良い場所は残っていなかった。それでも何とか隙間を見つけて撮影開始!上のほうの真っ黒な雲が徐々に赤くなってきて日の出!そしてすぐに湧き上がる雲に追い抜かれて隠れてしまった。

1分後、再度の日の出!一日で二度の日の出を味わってしまった。

日が出てしまうと、何人かが山荘の裏に小走りに向かって行くのでついて行ったら笠が朝日を受けて輝いている。

白山もバッチリ!しかも、???白山の真上にVの字の光が(上の写真参照)・・・・・・なんだかブロッケンの一種のようで幻想的である。(お願い!この現象に心当たりのある方は教えてくださいませんか?

6:20 山荘出発

想像以上に日の出が素晴らしく、余韻に浸りすぎて撤収が遅れてしまった。

いきなり奥穂の上り口で渋滞!長い時間ではなかったようであるが出発が遅れたので焦ってしまった。前後にはアニョンハセヨ!の人たち・・・・・・・

あ、そうそう!テントを撤収しているときにおじさんがいきなり来てテント装備のことを質問した。いつも、鼾に悩まされて眠られず、翌日の登山に影響するとのことで

テン泊装備に興味があっての質問だった。これでまたテン泊愛好登山者の増加か?

梯子が終わって平坦になった所でアニョンハセヨのおじさんが盛んに質問してくる。どうも英語のようである。俺の顔を見れば英語ができるかどうかはすぐに判るはずなのに失礼である。

だけど、なんとなく山の名前を聞いているようなので、立山と槍を教えてあげたがその後も次々と聞いてくる、面倒になったので一通り一度に教えてあげたら物分りのいいその人は静かになった。

7:00 奥穂山頂

時間が無いので山頂はパスして、ジャンに向かう。

馬の背の手前の小ピークをこちらに向かってくる人がいる。

もう着いたんですか?と、聞いたら馬の背で怖くなって戻ってきたそうな!腰にストックをぶら下げていて見るからに危なっかしく恐ろしい感じがした。

 

 

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説明: 説明: P8288629

 

 

<馬の背スタート>

 

<同核心部?

 

 

 

 

 

 

 

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<核心部をアップで・手前は俺の足先>

 

<馬の背をジャン側から>

 

7:15 馬の背通過

いよいよ恐怖の馬の背!始めはてっきり、さっきのおじさん(上の写真)の降ってくるピークかと思って覚悟を決めて望んだが、刺とげみたいな岩が起立しているだけでたいしたことは無い!少し斜面を降ると同じような稜線に突き当たる。

これだこれだとおもって恐る恐る取り付いたが一寸怖いけどさほどではない。少し進んで覗き込むように見ると有った!あれだ、なるほどガイドブックに載っていたような感じで飛騨側はオーバーハング気味に、長野側は急角度で切立っていてなかなか手強そうである。

ここでお得意の忍法「怖いもの見たさ破り」(=こういう切れたった所を見て一応は観察するが、次の瞬間それを忘れて目の前だけを注視する難易度の高い技でこのルートでは随所で応用できる)を発揮。

このナイフの刃先みたい感じの所は長さ2mぐらい?飛騨側の丁度いいところに、5センチくらいの帯状に岩の段があるのでこれを足がかりに、手掛かりは刃の部分!

勿論踏み外せば、すぐに恐怖心やこの世の憂さも消えうせる。

よく覚えてはいないが、難なく通過したような気がする。(きっと、普段人には見せたことが無いような緊張しきった様子だったと思う)

通過してガイドブック等に書いてあるのは大げさで、あんなのは平気の平左なんて言うのは冗談にもならず、怖いと思ったのは事実であるような気がする。

 

 

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説明: 説明: P8288640

 

 

<ジャンの方へのトラバース・○の中に登山者>

 

<ジャンのコルへの急下降>

 

 

 

 

 

 

 

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<岩棚を通る・左上に鎖>

 

<ジャンの肩>

 

 

 

 

 

 

 

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<意外と小さかった山頂標識>

 

<ジャンから槍方面>

 

 

8:00 ジャンダルム山頂

次はジャンへのアプローチ、ガイドブックを呼んだ限りでは俺が一番怖いと思っていたところである。

馬の背を過ぎたらガラガラの岩場をゆっくり登ってコルへの急下降!(ここは良く覚えていないが、写真で見るよりは遥かに易しかった)

そして今度は写真丸印までの急登、その後鎖をよじ登って岩棚状の通路に、細くて飛騨側は切れ落ちてはいるが、水平に張られた鎖に助けられて思っていたほどの恐怖感は無かったと思う。

水平の岩棚通路が終わるとルンゼのような溝を垂直に登りきってジャンの肩みたいな所に出る。

ジャンを見上げると直登ルートらしき所に短いロープがぶらさがっていたので挑戦してみたが、ロープまでも行くことが出来ず、飛騨側に回って通常のルートで登ることにした。

回り込むと、ぺンキでジャンと書いてあるのでザックを置いて取り付いたが、ルートは不明瞭で面倒になって適当に登っていった。(写真で見ると急登のイメージを持っていたが、案外緩やかであった)

山頂の標識が思っていたよりうんと小さいのに、変な感動を覚えてしばし展望を楽しむ。下山は標識が見やすいのですんなり降りられたと思ったら、ザックをデポしたところより西穂側に出てしまったので、鎖のついた壁を攀じ登ってザックを回収してきたが、ルートは二通りあるようで、西穂側のルートが分かりやすい。

 

 

 

説明: 説明: P8288658

 

説明: 説明: P8288659

 

 

<西穂側からジャン>

 

<西穂の稜線>

 

 

 

 

 

 

 

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説明: 説明: P8288664

 

 

<天狗岳への登り>

 

<天狗のコルからの登り>

 

 

9:10 天狗のコル

ジャンからも数箇所、難関と思われたところがあったが、天狗のコルまでのあの長〜い降りの印象が強すぎて、よく覚えていないくらいだからたいした事は無かったんだと思う。

スタートが遅かったので天狗のコルに10時までに着かなければ、天狗沢を降ろうかと思っていたが意外と早く着いたのでこのまま縦走を続けることにした。

 

 

 

説明: 説明: P8288668

 

説明: 説明: P8288670

 

 

 

 

 

 

 

9:45 天狗岳山頂

奥穂の降り稜線で、猿まわしスタイル(専門用語は知らないがザイルで縛り合ったグループ)の3人連れと群馬からの単独女性に追いついたが、その後相前後して進むことになった。

天狗岳の手前から独標付近で盛んに活動している救助ヘリが見られた。(新聞によると新潟からの62歳の女性が滑落してお亡くなりになったとのこと・・・・・)

また、途中の稜線には真新しい花が供えてあって、改めてこのルートの危険度を再認識するとともに、絶対に気を緩めてはいけないと自分に言い聞かせた。

(時には真面目なことも書きます)

 

 

10:40 間ノ岳山頂

逆層スラブの取り付きでは、西穂からの登山者が上ってくるのを待っていたが、鎖を登りきった緩い傾斜の岩盤ところで先頭者が不自然な支持で渡ってきた。後続者も同じように這いつくばった格好でほとんど無い手がかりを探していた。

よく考えてみれば、ここであんなに低い姿勢をとった記憶は無い!見れば、立った位置くらいに手掛かりの岩があるのに・・・・・・・あまり危険な感じがしたので、備え付けの鎖に紐のついたのを投げてやったが、場所によっては俺も同じように安全な手段があるのに気が付かずに、危ない真似をしていたのではないかとまたもや不相応に考えてしまった。

11:50 P1ピーク

それにしてもよくわからんのが猿回しスタイル!一人落ちれば皆落ちる的な感じがしてならない、落ちる可能性が高いからしているのだと思うが、ならばもっと以前にすべきことがあるような気がする。(例えば危険だと思えば中止すべき?またはもっと易しいルートから順に訓練を重ねる?

まじめな話、良くわからなかった。

12:00 西穂山頂

山頂は登山者で賑わっていた。中には自家製のデラックス弁当を食べていた夫婦らしき男女がいたが、何も怖い目や辛い目をして登山だ!等と思わず楽で楽しく登るのも立派な登山だと気づき、羨ましく思ってしまった。(今回はなんだか真面目っぽい?

13:10 独標

14:00 西穂山荘

後半、かなりペースが落ちたようだが若さのせいで筋肉痛が当日出たに過ぎない。

だけど、出発が遅かったのでまずまずのペースか?

ただ、ザックを軽くして食料をパンだけにしたので飽きてしまって、食べる気がおきずややシャリバテ!

山荘で食べた山菜そばが意外と旨く感じられた。

15:25 ロープウェー西穂高口

登山者が結構いたが、それに負けず観光客が多いので、良い時間についたのだが二番目の便になってしまった。

外ではIZANAGIのおじさんが、シンセサイザーの演奏をしていたので聞いてから帰りたいとも思ったが、早く登山靴を脱いで楽になりたい欲求が勝ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

[雑 感]

何はともあれ、奥穂〜西穂縦走を達成でき物凄く面白く感じた。

そして、怖いと感じた所も結構有って、それをこなしたことは自分の登山にとってなんとなく有意義な気はしたが、何故行ったのかと問われると良くわからなくなってしまう複雑な心境である。

でもこの際ついでだから、今年中に大キレットも経験しちゃおう!なんとも思ってしまっている。

 

 

 

 

 

 

 

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