西穂・独標

(西穂高岳山頂を目指したのだが・・・・・)

 

 

2005.03.19(新穂高ロープウェー・単独日帰り)

 

 

今回の三連休は以前から仕事が入っていて土日のみの休日である。

習慣になったYAHOOの天気予報を見ると、土曜日は雲マークが無くて久しぶりの快晴が望めそうである。

このところ1.5ヶ月、予定が入ったり天候に恵まれなかったりで、山に行っていなかったので今回は千載一遇のチャンスである。

急遽、土曜日の約束を日曜日に入れ替えて久しぶりの登山!

今シーズンもう一度行きたいと思っていた西穂にチャレンジすることにした。

 

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<ロープウェー駅から槍ヶ岳方面>

<ロープウェー駅から西穂高岳>

7:50 自宅出発

昨夜降った雪が路面にうっすらと積もっている。

風が吹くと舞ってゆきそうな粉雪ではあるが、気温が低いせいかアスファルトの路面にしっかりとくっついていて、完全

な凍結路になっている。

朝早くから太陽が照っているものの、美女街道から見られる乗鞍岳の勇姿や、平湯温泉からの格好の良い笠が岳は雲の中。

なんとなく不安な気分で、つるつるの凍結路を慎重に進んで行くと、熊牧場の手前では赤いワゴン車が側溝に落ち込んで

いる。

気の毒にと思いながらいっそう慎重に運転をするため、始発のロープウェー乗車が危うくなってくるが、焦って二の舞に

なっては元も子もない!

 

8:15 新穂高ロープウェー駐車場

何とか始発に間に合いそうである。

身支度を整えていると、時間前なのにゴンドラが動き出して大勢の人が乗っている。

今日は乗客が多いので、臨時便を出したのであろうが道路状況がよければ間に合ったのにと、なんだか悔しくなる。

待合室に行くとやはり大勢が列をつくっている。

前回と違って約2割が登山者風でなんとなく心強い!

 

9:00 西穂高口駅

なんとか、いつもの時間で到着することができてホッとする。

早速展望台で、写真をとって登山開始する。

 

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<山荘途中のビューポイント>

<コンクリートブロックの小屋は雪で潰れそう>

10:10 西穂山荘

山荘から外に出るとかなり寒い!新雪も数十センチはあるようである。

準備をしているうちに始発ロープウェーに乗車した登山者が次々と出発していく。

暫く山歩きをしていないわりには足取りも軽く次々と先行者を追い抜く。

二十数名の団体に追いつくが、雪道で音がしないためか追いついた俺に気づいてくれないので、声をかけながら脇の新雪

に踏み込んで追い抜く。

山荘手前の急登間際で漸く数名の先頭集団の追いつく。

えらく簡単に追いつけたので、自分の脚力に自信を持ったが、何の事は無い先頭者はラッセルのまっ最中なのだ!しかも

20キロぐらいのザックを背負った女性である。

なかなかの脚力の持ち主のようではあるが、途中で二番手の青年と交代したようである。

何とか先頭に行ってラッセルを変わってあげたいと思うが、膝がガクガクになってきたのと先行者が早いので、最後まで

追いつくことが出来ず、申し訳ない気分になった頃に夏季診療所の建物前に到着。

くたびれたわりにはまずまずの時間で西穂日帰り圏内である。

山荘前では大勢の登山者が、思い思いに休憩をとっている。中にはテント設営中のグループも・・・・・

俺は山荘に寄らず診療所の下で完全防備をすることにしたが、準備をしている間にもかなりの数の登山者が続々と上が

ってくる。

 

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<天気は良いのだが西穂方面はガスで見え隠れする>

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<独標北側の絶壁に降り立ったT原女史>

<丸山方面>

11:40 独標到着

手短に準備を整えて、丸山に向かおうとするがトレースが見当たらない。

ここからは俺が一番手!適当に新雪を掻き分けて、丸山への急登を登りだしたが、場所によっては50センチくらいの

新雪!距離は短いがここでかなりの体力を消耗したようである。丸山の中ほどまで登った辺りからは表面が堅く凍った

最中のような雪面になって登り易くなって来た。

膝と腰がどんよりと痛くなる、どうも休憩時間が短すぎたようである。懸命に登るのだがちっとも進まない。

そのうちに、二番手ラッセルの青年に追い越され、20キロ級ザックの女性(ジャンボザックは山荘にデポしてきたよう

で身軽ではあったが)にも追いつかれる。

なんとか、意地になって女性と同じペースで進んだが、このときにはもう目標の西穂山頂到達はどこかに行ってしまって

いた。

独標手前の急登前のコルで3人が揃い、相前後して急傾斜に挑む。雪が多くて登りやすいようなのだが、今回は恐怖が先

に来てしまい、もたもたとしてしまう。鎖場に到着して度胸が据わったのか?安心したのか?鎖に頼りながらもスムーズに

山頂に立つことができた。

俺の場合、この時間では西穂山頂日帰りは無理である。

その上、独表から先の岩々はびっしりと海老のシッポに覆われていて、いたるところが新雪の吹き溜まりになっており、

とてもではないが俺のつたないテクニックでは挑戦する気にはならない。

二番手のラッセルの青年は、新潟から今朝出てきて日帰りだというが、かなり迷っている風である。

20キロ級ザックの女性、近くで見れば時々この付近で出会っている女性で、その名もご存知の方はご存知の福井のT原

女史である。次々と登ってくる登山者の中にも、ご存知の方が多いようで軽快に挨拶をされている大ベテランである。

彼女は、誰か登って行くならばという感じで様子眺め。(一度は独標北側の岸壁に降り立ったが・・・・・)

そのときに女史の指を見せてもらったが、正月の槍ヶ岳登山で凍傷になって、剥がれた指の爪が2/3程再生していたが、

始めて見る凍傷の後遺症に一寸脅威を感じてしまった。

結局、山頂にいた10人ばかりの人達は誰も前進しなかった。

 

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<独標より岳沢>

<丸山付近から前穂・明神>

12:10頃 下山開始

一寸がっかり気分で独標を後にしたが、膝のガクガクと腰痛で早く降りられ無くて、殆ど同時刻に下山を始めたT原女史

と新潟青年の姿はあっというまに見えなくなってしまっていた。

 

13:00頃 西穂山荘

所々で足がもつれてアイゼンを雪に引っ掛けてしまって、あっちにガックリこっちにヨッタリと遭難寸前のような感じ

で何とか山荘に到着。

山荘では大勢の登山者と、例の二人が休憩していて話を聞くと、今夜の山荘は布団一枚に二人と大盛況だという。

3連休とは言うものの、この時期にこれだけの登山者がいるとはただただ驚きである。

 

13:20頃 山荘出発

T原女史も、今夜山荘泊の予定だったそうであるが急遽予定を変更して、新穂高まで下山して明日また挑戦するかも?

 というわけでまたもや3人で山荘を出発することになった。

 

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<真っ白笠が岳>

<ガスが薄らいでいて一寸悔しい>

14:05 西穂口駅到着

到着とほぼ同時に14:00のロープウェー発車!

次の便まで暫く時間があったので、T原女史にいろいろ山の話を聞かせていただいて、楽しいひと時を過ごすことが出来

たのが今回の収穫かもしれない。

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<雑 感>

西穂山頂に届かなくて残念ではあったが、降雪の直後だか

らなのか異様ともいえるくらい真っ白く輝く山々に触れ

ることが出来て幸いであった。(このように真っ白な山を

見たのは、短いこれまでの人生で初めてのような気がする。

とにかく素晴らしかった!)

 

独標から西穂に向かう登山道、当然ながら白いペンキマー

クは見えない上に踏み後もない中、俺にはいつまでたって

も挑戦できない!とは思ってみるもののもう少しコース

に慣れれば!などと頭の中によぎるのは負け惜しみだろ

うか?

 

たった1ヵ月半のブランクでこれだけ体力が落ちるとは、

今年の山行きはどうなることやら・・・・・・

トホホのホッ!

 

<帰路の美女街道から乗鞍岳>

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