福地山(1,671m)

 

 

日 程 2003.11.23 上宝村・福地温泉(日帰り)

 

以前から気になっていた福知山は、北アルプスの展望を奥飛騨から見られるコースとして今年、

新たに整備された登山道である。登山口は、新平湯温泉の一部である福地温泉昔話の里入り口前である。

(以前は化石博物館だったあたりかな?)

 

 

 

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9:20 登山口

高山から平湯トンネルを越えて新穂高方面に向かう。

出発時には曇っていた空も徐々に晴れ間が広がって、平湯温泉スキー場付近から見られる笠ヶ岳はうっすらと雪化粧していて優美である。

熊牧場を過ぎてすぐの交差点を左折し、福地温泉に入ってしばらくすると左側に昔話の里の看板がありその下に真新しい登山道の標識取り付けてある。

登山者用の駐車場は昔話の里第二駐車場があてられているようである。

 

9:45 展望吾妻屋

標識横の階段を上がってすぐの所に「福知山登山道」の標識があるがほとんど一本道なので迷うようなことは無い。

登山道は、以前は林道だったのか軽トラックなら楽に通れる広さである。

しばらくの間は暗い檜林の中をジグザグに登って行くが、やがて雑木林となって展望が開けて古びた(といってもしっかりしている)吾妻屋が建っている、眼下には新平湯の温泉街が望める。

このあたりから槍の穂先や焼岳が姿を現して登るに連れて徐々に大きくなっていく 。

 

 

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<登山道入り口標識>

<吾妻屋と温泉展望>

<見え出した焼岳>

<槍の穂先も>

 

 

 

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10:10 尾根コースとの分岐(憮然平で合流)

この分岐では北アルプス側の尾根コースを選んだが、新設の登山道なので緩んだ路面には毛足?の長い霜柱があちこちにあって知らないうちにズボンが泥々になっていた。(時間を経て路面が落ち着くまでは、雨天時には相当ぬかるむかも?)

10:20 無然平

一登りで憮然平展望台から憮然平に到着、このあたりでは既に槍ヶ岳、穂高連峰、焼岳が全貌を現して青空に映えて感動!ここには、篠原憮然の石像がある。

 

 

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篠原無然(しのはら ぶぜん)

大正13年、上宝の学校に奉職。当村で教職のかたわら、青年会、婦人会などの指導に当たる一方、観光開発、登山道の改修、社会教育に尽力しました。「平湯の父」というべき篠原無然の遺徳をしのんで平湯民族館に『篠原無然記念館』を併設して、蕪村ゆかりの貴重な資料が展示されています。

 

<篠原無然石像>

 

 

 

 

 

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10:25 尾根コース(第三展望台で合流)との分岐

ここでも展望を重視して尾根道を行くことにするが、この選択がとんでもないことになるとは?・・・・

さっきの尾根道とは違い、尾根の雑木を切り開いただけの狭い急な登りである。

15分ぐらい登ると平坦な道になって第三展望台が見え出したところで、うっすらと積もった雪の上に、小さいが熊の足跡のようなものを発見、が、さして気には止めずさらに先に進むと7〜8m先の合流の標識を挟んで二頭の小熊(大きさは1m弱か?)がじゃれあっていた。

ここで馬鹿な俺は、これはいい被写体に出会ったとばかりに、デジカメの電源が入るのももどかしく、ズームを調整して撮影しようとしたところでファインダーの角に大きな動く物体を発見!カメラから目を離して確認すると、な、な、なんと!でっかい親熊が5,6m先の笹薮から半身乗り出して頭を上下しながら小熊達のほうを見ている。

大パニックである!全身が見えていない分、俺の頭の中の熊は凄く大きく感じられる。

いつも熊に出会ったらカメラのストロボで撃退しようとイメージトレーニングをつんできた成果を試す時がきたと思ったか思わなかったか?ストロボをオンにしてファインダーを覗くと親熊の姿は無く、 小熊達が慌てる様子もなく笹薮に入って行くところだった。

ふぅ〜!!(後から写真を見たらこの時無意識?に一枚の写真を撮っていた・・・・左参照)

 

<小熊のじゃれあっていた標識>

 

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<何も写っていない?写真>

 

 

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10:50 第三展望台(1600m)

パニックはそのあとの方が酷かった。

思わずUターンをして戻りにかかったが、これまでの急坂を考えて中止。熊の去った反対の斜面に向かったものの背丈ほどの笹薮に阻まれて中止。

しばらく茫然とした後、小熊達のいた方に口笛を吹きながら恐る恐る進んだらしいが元の林道に到着するまでの記憶は無い!

気を取り直して展望台に行くがここの展望はヒノキ?に遮られていまいちである。手前の林道で写真を撮りながら気を静めていると、無然平手前で追い抜いてきた大垣から来たご夫婦が到着。(この時ほど安堵したことは無いかも?)

 

 

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<槍が綺麗・・・ズームアップ>

<槍・穂高全貌>

<焼岳>

<笠は先っちょだけ>

 

 

 

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11:40 山 頂

展望台から先の登山道は来年整備されるとのことで、笹を刈り取っただけのルートとなる。

熊パニックの後遺症で、風の音も木に積もった雪が融けて落ちる音もみんな熊の気配のような気になって落ち着かない!

山頂には、三角点と思われるコンクリート柱が埋設してあるだけで標識は無い。

展望は、整備途中なのか伐採も進んでいないので、木々に遮られていてお世辞にも良いとはいえないが、整備が進めば360度の展望が十分期待できる。

 

 

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<山頂から焼岳>

<笠がやや大きく・・・>

<槍・穂高>

<槍・穂高のアップ>

 

 

 

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12:10 第三展望台

帰ってくると先ほどのご夫婦と神岡からの5人パーティが休憩していた。(本日の登山者はこれだけだったようである)

 

12:20 展望台出発

 

13:15 登山口に帰着

帰路は尾根道を一切通らず、広い林道をただひたすら降った。

結構急なので膝がガクガク!あちこちにある霜柱の所はかなり滑って、何度か転倒しそうになる。  

 

<おまけ・・・西穂山荘周辺>

 

 

 

 

[感 想]                                  

初めての熊との遭遇、今から思えば小熊の写真くらいは撮る余裕はあったと思うが、やはり相当パニクっていたのだろう。

鈴が必要なことはわかっていたが、なんだか喧しい感じがして持たなかったのがいけなかったとは思うが・・・・・・こちらが先に気付いたから良かったものの、あの狭い尾根筋でばったり出会ったらどうなっていたかわからない。

運が良かったものだ!!

槍ヶ岳をはじめとする北アルプスの展望なかなかいい!特に焼岳は近くにどっしりとして壮観、今後の山頂の整備が楽しみである。

 

 

 

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